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あっと言う間の お別れ

Mさんは先週 入居されたばかりだ

今日初めて担当階になり
昼食の時 少し介助しながら
様子を拝見する

殆んど発語はなく
問いかけに少し反応して下さる程度だった

初めてお目に掛かったので
食後 小まめに様子を見に訪室

14時過ぎだったか
窓からの日差しが少し眩しくなる時間
カーテンを閉めに伺うと
何か引っ掛かる物を感じた

   こんな呼吸の仕方じゃなかったような・・・

下顎呼吸とまでは行かないけれど
規則的に下顎が動く

話しかければ返事は返って来る

   苦しいですか? と聞けば
 
      ううん・・・大丈夫 と口が動く

少し横向きにすると下顎の動きが小さくなった

   大丈夫ですか? 苦しく無いですか?

      うん、うん。

そんな遣り取りの後
どうしても気になったので主任に報告する

それとなく30分おきに様子を見に行った


夕食の時間となり
他の職員が居室より誘導して来た
そして食介のため 声を掛ける

何気なくMさんの方を振り返ると
異様な顔色に見えた

   え・・・?・・・!

傍らに行き再度 声を掛ける

   Mさん?・・・眠いの?・・・Mさん

脈が触れない
胸部の動きも認められない

近くに居た職員に
Mさんを居室に戻すから
直ぐにナースをよこして・・・と耳打ちし
車椅子を押して戻った

後を追って駆けつけたナースに状態を説明し
ベットにMさんを戻す


この方の場合 入居したばかりで
急変時の対応は
まだ家族に確認されていない

それでも・・・ナースに看護主任を呼んでもらい
その間 ベットでアタシは心マを施行する

ベットと言うのは
柔らかい
胸骨が沈み込む程度とは
渾身の力が必要になる



Mさんは
眠るように旅立たれた・・・

昼間 呼吸が本当は苦しかったのだろうか?

旅立たれた今
その苦しさからも
開放されたのだと思いたい

            合掌・・・

あっと言う間の お別れ_d0036742_221249.jpg
 

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by n_773m | 2011-02-21 22:07 | 日常のetc.