やり切れない思い

昨日書いたばかり・・・
『葛藤』に出てくるTさん。


    今朝 旅立たれました


傷だらけのお体が痛々しく
もっと安楽な時間の過ごし方を
して頂きたかったと思います。


介護理論
勿論大事です。

排泄とADLの相互関係
勿論大事です。


だけど・・・
勘違いしてはいけない。

理論を振りかざした結果
望む最後とは程遠い状態を作り出してしまった
アタシたち介護士は
万能では無いのです。


老いを止める事は
誰にも出来ません。


もっと言わせてもらうなら・・・
少し改善された前例が有るからと言って
それが介護士の手柄のように言うのは
傲慢極まりないと
アタシは思います。

ご本人の生きる力や
バイオリズムや
色々な事が重なって
そこに介護士が関われただけの事。


無理やりな介護を指示された時
アタシは
「その根拠は何ですか?」
と問いました。

答えは
『失われる物の方が多いから』でしたが・・・
10失ったとしても
残った1つが・・・
最も望む物だったら・・・

「失う事ばかりに目を向け過ぎでは?」
と抗議せずには居られませんでした。


   やり切れない思いが残ります


       Tさん

     ご縁に感謝します

    ゆっくりお休み下さいね

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# by n_773m | 2013-02-05 18:51 | 日常のetc.

葛藤

施設の介護士をしていると
日々 抱える葛藤がある・・・

Tさんは殆ど意思疎通も出来ず
勿論歩けず
車椅子
自走も出来ない

歩けないし立てない

皮膚は薄く具合も悪いので
直ぐに剥離が出来たり
出血したりする

アタシたち介護士は
Tさんに話しかけたり
食事の介助をしたりしながら
その表情から
気持ちや訴えを読み取る


本社から来ている命令口調の指導担当は
そのTさんも「トイレに座らせろ」と言う・・・
尿意も便意も
勿論無いTさん


そして食事の時は「椅子に移乗しろ」と言う・・・

膝関節も足首も
既に固まってしまっている
入居した時からだ


「剥離が出来たり出血したりするのは、技術が低いからだ」
とも言う

それは否定出来ない・・・何故なら
介護士にも色々居る
仮にスペシャリストばかりだとしても
『絶対大丈夫』などと過信するならば
それは傲慢な考えだと思う


アタシは何度も抗議した

彼らは理論でしか考えない・・・
そして異論を唱える者はバカにされる


『究極の介護』とは 何だろう?


常にその疑問が重く伸し掛っていたが
答えをやっと見つけた気がする


最高の介護とは・・・『現状維持』

積極的なアプローチは悪くないけれど
人は・・・老いる事を止められない

トイレに無理やり座らせても
別人のように何十歳も若返ったりはしない

最高のサービスとは・・・『下降曲線に気がつかない位、緩やかに穏やかな最後の時間を作る』


目新しい事を どんなに自信を持ってやったとしても
毎日傷だらけにされたら
家族はどんな思いで居るだろう?


Tさんは急激に衰弱し始めた

家族は急な変化に
戸惑っている

そして手足には繰り返される剥離で
皮膚が見えないくらい
ガーゼが貼られている

当たったのではなく
触れただけでも
剥けてしまうほど
全身状態が悪いのは・・・
もう随分前からだ

何度抗議しても
無理やりな介護を指示される

そして傷が出来たと言っては
アタシたち介護士のレベルが低いからだと・・・


葛藤は毎日続く

   Tさんは どこまで耐えなければいけないのだろうか?

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# by n_773m | 2013-02-03 17:16 | 日常のetc.

寄り添う介護

S子さんとS郎さんは
夫婦で入居している

二人部屋で二人共 認知症

一昨日、S子さんが急変し
救急搬送し入院となった

その日からS郎さんは 
なかなか寝付けなくなり
食も細くなり
活気も見られず
笑わなくなった

認知症ではあるけれど
それはそれは敏感で繊細

スタッフや周りの入居者にとっては
S子さんのダミ声は
ちょっと困った物だったけれど・・・
S郎さんには欠かせない日常だった

アタシは昨日夜勤だったのだけど
S郎さん、やはり寝付けないでいる


何とか日常に近付けないものか・・・

思い付いて倉庫から枕を一つ借りて来て
S子さんの掛け布団の下に
膨らみを作る

「S郎さん、S子さんはもう寝たからね。」

チラリとS子さんのベットを見るS郎さん・・・

しかし落ち着かない

で・・・S子さんがいつも「おとーさん!」
と言ってるのを真似してみる

「おとーさん!おとーさん!寝るわよ!」

少し不思議そうな顔をしたが
何と・・・
直ぐに目を閉じて入眠された・・・


朝食も(介助だが)進まない
食思の著しい低下が見られる
そこで又 思い付く

S子さんが座っていた席(食介の定位置と反対)
に座って介助してみる
驚いた事に・・・完食した


それら一連の事を
記録に落とす

朝 早番で来た主任がそれを読み
アタシに言った


   枕は一人に一つずつと決まっているので
   これはマズイと思います


こんな事しか言えないのか?
決まっているけれど「聞いてみます」とは
ならないのか?

ルールがそんなに大事か?

アタシには
そこに居る人間が
一番大事だけれど・・・

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# by n_773m | 2012-11-03 16:11 | 日常のetc.

白い鶴

Yさんは職員の間では
アイドル的存在

いつもアタシたちを
『てんてぇ~』と呼ぶ

入居した時は物凄く荒れていて
アタシもお腹に2回
足蹴りをくらった

半年も過ぎた頃から
立ち上がりも無くなり
小さい体を車椅子にスッポリと埋めて
静かに座っていた

Yさんの血管は
見事な太さを持ち
脈も非常にしかっりしていたが
最近は脆くなって来たのもあって
良く内出血をしていた

抹消に浮腫が顕著になり
時々ムセルようにもなった

ここ何日か傾眠も強く
ご飯も水分もお薬も入らなくなったけれど
時折 声掛けには
あの大きなクリクリとした目を見開いて
ニンマリ笑っていた


その日はアタシは遅番
声掛けしても反応は無く
脈は もう浅いカーブになっていた

     Yさん、眠たいの?
     お水飲みませんか?
     大好きなお水よ・・・

スプーンを濡らし
1滴口に含ませてみるが
反応は無い


家族とのムンテラでは
『心停止したら救急搬送』と言う事になった

と、言うことは・・・
救急隊が来るまでは
この小さな背骨が曲がった体に
心マをしなければならない

完全に止まってしまった心臓には
AEDは無意味だから・・・


後ろ髪を引かれる思いで帰宅し
眠れない夜を過ごし
翌朝、早番で出勤すると
Yさんは夜中に亡くなっていた

聞けば救急隊が到着するまで
蘇生は続けられ
到着後 家族に蘇生を続けるかどうか
確認されたと言う

そこで結局
蘇生は中止される事となった

        Yさん・・・
        肋骨痛かったね・・・
        良く頑張ったね・・・

家族が一端席を外した居室に
アタシはご挨拶に入れてもらう

ふと見ると
棚にYさんが時々 字を書いて遊んでいた白い紙があった

        Yさん 一枚ちょうだいね・・・

5cm角に切った小さな四角い紙で
鶴を折る

白い鶴を
Yさんの胸元にそっと置き
お別れをする

        ありがとう・・・

             合掌・・・

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# by n_773m | 2012-10-18 15:24 | 日常のetc.

明け方の急変

本日、夜勤明け。

施設の朝は早く
経管栄養の方々は
早朝4時から排泄介助に入る。

「さぁ1日が始まるぞ♪」と言う
まさに明け方4時・・・
管理室の有る階を通り掛かると
ザワザワしている。

   どした??

ザワザワしている方に何となく声を掛けると

     Aさん!急変!!

ナースが叫ぶ

体が既に冷たくなり始めている。
心停止・・・

   心マする?!

傍らのナースに聞くと

     やって!ドクターコールする!

戦いが始まる・・・


Dr.が到着するのに
最短でも30分は掛かるだろう。
系列施設に居るのは判ったが
何時に着けるとは言ってなかったと・・・。

つまり到着するまでは
心マを続行する必要が有る。

O2を使っている人なので
最大にする。

10分・・・20分・・・
他の方々の排泄に入らないと
失禁が続出してしまう。

一人のスッタッフに出来る所だけでいいから
排泄入って!とお願いする。

90名弱の施設に
夜勤帯はケアスタッフ3名
ナース2名
心マはケア2名で交代しながら
ナース1名はタン吸引やバイタルチェック

もう1名のナースは全員の経管準備
残り1名のケアが50名近い人たちの
排泄介助に入る・・・
本来はそこで着替えも有るけれど
とても1時間で50名は無理だ。

心マを交代で続行しながら
空いた方が排泄介助に入る
せいぜい1・2名しか出来ない。

汗だくになりながら
主任や施設長や
その他必要な所へ電話連絡をする。


   Aさん、肋骨痛いよね・・・
   ごめんね・・・


こんな時の1時間とは
何と果てしなく長いのだろう・・・


結局 Aさんは戻って来なかった


駆けつけたご家族に
夜勤スタッフ全員で

   お役に立てず
   申し訳有りませんでした

と頭を下げる



何が有ろうと
施設の1日は始まる

ウラでどんなにドタバタしても
1日は始まる


お互いを労い
夜勤者は
そっと・・・帰る

例え主任や施設長が不機嫌な顔をしていても
その時
アタシたちに出来る最大限の努力は
アタシたちにしか
判らないのかも知れない・・・。

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# by n_773m | 2012-10-12 13:04 | 日常のetc.

勇気ある退去

Fさんはお嬢様が一人
国際結婚されていてお子様が一人
今は娘様家族は日本に居るけれど
年末にはヨーロッパへ転勤となり
日本にはFさん一人が残る事になる

右麻痺があり歩行には杖を使うが
とても自立心の強い方
「大丈夫よ、ありがとう。」が
口癖の方・・・
本当に出来る事は頑張ろうとする



3.11の時にも彼女は気丈に振舞っていた


「アタシは大丈夫!あの部屋の寝たきりの人を見てあげて!」


あの時 確かに母親の顔をしていたのを
何人ものスタッフが感じたのだった


あの時から・・・
Fさんはずっと考えたいたのだと言う

     ここに居ればご飯も出てくる 
     お風呂も用意して手伝ってくれる
     でも・・・
     何もする事が無い
     外も自由に出られない
     周りに人は居るけれど
     自分はここで死ぬのだろうか・・・
     
彼女は自分の住んでいた家
娘を育てた家を
まだ持っていた

介護用にリフォームをして
これから少し家で暮らしてみると言う

ウチの施設のナースが
少しお話をした

           訪問介護を受けながら
           お散歩したり買い物に付き合ってもらったり
           手伝って貰えば生活は出来ると思う

           夜は寂しいかも知れないね
           ここなら誰か必ず居るけれど・・・

           急に具合が悪くなったら
           緊急通報システムを設置してれば
           誰かが必ず飛んで来てくれるから・・・

           怖い思いもするかも知れない
           でも誰かが必ず見に来てくれる

           それでも・・・
           もう、いい・・・と思った時は
           ブザーを押さなければいいのよ

           それはFさんが
           自分で選択しなきゃならない
           
                出来る?

何ヶ月かFさんは考えていた


昨日
Fさんはリフォームの終わった我が家へと
長期帰宅するために
帰って行った

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# by n_773m | 2012-09-15 14:03 | 日常のetc.

研修が終わって

介護士になって3年
早いものです

8月末から研修があり
本日めでたく終了しました

良い仲間と良い講師陣に恵まれ
貴重な時間を共有する事が出来
本当に感謝しています

最後は 涙を堪えるので必死
抵抗虚しく・・・
土砂降りでした


言葉が適切ではないかも知れませんが
『介護職もマンザラではない』と
今は感じています


人の前に立ち仕事をするのは
あまり好きではありません

どちらかと言えば
人の影になり
基礎を充実させる事で
本人が輝けば良い・・・

そんな仕事が性に合っています

介護は
不便な部分をさり気なく手助けする事で
本人が輝いて生きて行ける

あたかも自力で頑張ったように感じながら・・・

そう思うのです


だからかも知れないと・・・
マンザラでもないと感じているのかも知れません

人に注目され
絶賛される事も
素晴らしい能力だと思います

でもアタシは
人の影で
さり気なくする仕事が
好きなのです


少し老けた4年目のヒヨコは
これからも又
ピヨピヨと走り回りながら
誰かの後ろから
そ~~っと背中を・・・
押して行こうと思います

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# by n_773m | 2012-09-05 12:42 | 日常のetc.

依願退職

アタシが今の施設に入職した時から居た
30代独身 男性職員
アタシはとても不思議でした

      無断欠勤5回
      無断遅刻2回

      家は施設から歩いて2分

      仕事は中途半端で
      汚い

      それでも解雇されずに
      毎日グチばかり言って
      給料貰えるのは
      介護業界の甘さでしょうか?

      信じられません。


この状況を横目で見ながら
完全な『介護業界の甘さ』だと
ウンザリしていました


彼は10月から移動が決まっていましたが
移る先には
彼の天敵である『女史』が居て
内心・・・危ないなぁと思っていました

彼女はダラシのない行動や
勤務態度は勿論
絶対に許さないし
その場で(良い悪いは別として)
追求するタイプ

甘やかされて来た彼にとっては
天敵です
それは幾ら雑な会社でも
判っているはずなのに・・・

もしかして『潰れても良い』と思っていたのか・・・



ま、それはさて置き
先日の事です

彼は遅番で珍しくアタシの担当する階で
アタシ自身は夜勤

彼が帰り掛け言うのです

   「明日 早番だけどさぁ どうせココの階だろうから。
    さぁ早く帰って風呂入って出かけなくちゃ!
    お疲れ!!」


こりゃ来ないな・・・


今までに何度やられた事か


案の定 朝7時
夜勤リーダーから電話が来ました

   「○○君 上がってますか?」

    来てないよ、無断欠勤じゃない?

またしても・・・でした



何とか朝食の介助も薬も
朝の排泄も全部一人でやり
フラフラになりながら仕事を終え
タイムカードを押しに行くと
施設長が書類を手に
電話をしています

         あのさぁ、今回はもうもみ消せないよ。
                移動?
          その話は無かった事にしてくれる?
            書類 書いて欲しいんだよ。
         今なら『依願退職』にするからさぁ・・・

何とも
温情の有る?
甘っちょろい事でしょう・・・

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# by n_773m | 2012-09-01 21:38 | 日常のetc.

研修の美人講師

介護の研修です
半分終わった所・・・

5人の講師が居て
男性2名 女性3名で構成されています

みな夫々にキャラクターも違い
それがまた研修の強弱にも繋がっているような

この中の女性講師1名
非常に美しい方
年齢も安定した感じの方で
これがまた声も美しい

使う言葉も美しく・・・厳しい(;^_^A アセアセ・・・


   皆さん やってる事が過剰介護です!
   やたらと触り過ぎ!
   それじゃ不快ですよ!

   ホラ!そこ!!
   背中に触れない!

   そっち!!
   意味もなく掴むな!!


激が飛ぶたび
アタシたち研修生は
ビクッ!!・・・とします


   そこぉーーー!!
   触らない!!!



   なして! そったら! 触るーーー?!


ΣΣ( ̄◇ ̄;)!・・・先生?
今 何と?!


   オッホン!・・・


一気にホグレタ瞬間でした( ´ ▽ ` )

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# by n_773m | 2012-08-29 19:22 | 日常のetc.

警察からの留守電

はぁぁぁ・・・
警察から留守電が入ってたのを
夜中に確認。
母親が昨日の昼間駅前で転び
パトカーで家に送ったと。
訪問介護の事業所にも連絡しておいたと。
それにしても・・・
事業所からは何も留守電入って無かった。

こんな時ACは嫌なもんだ・・・。

もしかしたら事業所から連絡が無かったのは
アタシへの計らいかも知れぬと思う。

母の件で電話をくれた警察官に
アタシが言ったのは
「振り込め詐欺かと思いました。」・・・

(今まではちょっと家の中で何かにぶつかっただけでも電話して来てた)

「こりゃ例の詐欺の手口と思った。」

と言ったら、物凄いウケた。


だって電話番号は区の警察署
『生活安全課』の物。

留守電の内容は
部署名と電話して来た警官の名前と
最後に一言「お母様の事故の件です。」と・・・


アタシにしてみたら
何だ?それ?! 


でも・・・普通の事なのだろう
家族と言われる人間に
連絡が有るのはね。

タンコブが出来ただけだと言う。

アタシは職場に連絡しなきゃならんかと
密かに困惑していたけれど
ACはこんな時
二面性を装わなきゃならず
酷く疲れるのである。

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# by n_773m | 2012-08-21 16:23 | 日常のetc.