カテゴリ:エッセイ( 66 )

ハーネス

それは信頼の命綱

昔見たドキュメントで
忘れられない物が有ったのを思い出す


雪が降り積もる地方に
一人の盲人と盲導犬が住んでいる

視力を失ったその女性は初めて
動物と暮らす事となったが
元々 動物が好きだったと言う

或る日
彼女は盲導犬を伴って街中に出掛けた
歩きなれた土地とは言え
積もった雪に少々手こずりながら
二人は目的地を目指した

ところが・・・
積もった雪と寒さも手伝ってか
次第に混乱し始める彼女
やっと目的の建物に辿り着いた所で
事件が起きる

左右に石門がある所を普段は通っていた彼女
しかしこの日は『GO!』の命令にも関わらず
盲導犬はその場からガンとして動かない

何度か命令をするうちに
彼女の苛立ちは加速して行く
『リサ!・・・GO!・・・GO!・・・どうしたの?!・・・GO!だってば!!』

そこには
ロープが掛かっていた
そして石門に張り紙が・・・
『こちらを通って下さい』と矢印

運悪く 張られたロープは弛んでいて
彼女が手探りで障害物を探した空間よりも
下に有ったのだった

盲導犬の名前は『リサ』
リサは自分は通れても
御主人が通れば確実に転ぶ事を察知していた

リサはありったけの力で隣の通用門に誘導しようとするが
それが返って御主人の苛立ちを増してしまう

彼ら盲導犬は例え誰かに踏まれても
絶対に声は出さない
それは歯向かわない事で
御主人を守るため

リサのハーネスを持つ手が
離れそうになった その時・・・
通り掛った男性が声を掛けた


   アンタ そこは通れないんだよ
   ロープが掛かってるから
   隣の通用門から入れって書いてある


え・・・・・!

彼女は絶句する
そしてシャガミ込み
リサを抱き締める


その背中に
先程の男性が優しく話しかける

   この雪だ・・・
   早く用事を済ませて帰りな
   この犬を信じてやれよ
   アンタには
   こいつを守る義務が有るんだからさ
   気を付けて行けよ

彼女は何度も頭を下げていた
リサは・・・
心なしか笑顔になっていたように見えた
それは
千切れんばかりに しかし控えめに
いつまでも振られたシッポが
表していた

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by n_773m | 2010-01-20 19:13 | エッセイ

御巣鷹山

もう23年になるのでしょうか・・・
あの御巣鷹山に多くの人たちを乗せた日航機が
帰還を望みながらも果たせず
起きた事故

当時 私は東京に住んでいて
祈るような思いで画面を見つめていました

残念ながら多くの方々が亡くなり
僅かな生存者を発見した事が判った時には
小さな明かりを見つけたような
そんな気持ちになった事を覚えています

自衛隊の方々が過酷な条件下
斜面に丸太を組み
そこで寝起きされながら
必死の救助を続けられていました


事故から1週間くらい経った頃でしょうか
とある病院に居た私は
待合室の椅子に腰掛けていました

隣には一人の男性がグッタリとしなが
順番を待っておられます

個人病院だと言う事もありその方と私は
ほぼ同時に呼ばれ
カーテンで仕切られた診察室の左右に分かれて
入って行きました

すると隣から憔悴しきった声が聞こえて来るのです

あの男性が搾り出すように話しているのです

彼は・・・カメラマンでした
しかも あの御巣鷹山から一旦帰って来たばかりでした
事故の翌々日には現地に入り
自衛隊員とともに
一人でも助かって欲しいと願いながら
シャッターを切っていたと・・・
しかし時間を追うごとに食べ物も口に通らなくなり
水も摂れなくなり
自衛隊の方々に「食べて飲まなきゃ救助も報道も出来ないだろうが!!」
と叱られたそうです

結局彼は極度の胃潰瘍と言う診断で
紹介状を書くから入院するように・・・と言われていましたが
強い薬を貰い現場に帰ると言って
病院を出て行きました

この時期になると思い出します

沢山の御家族の悲しみ
関係者の方々の悲しみと悔しさ

長期間、あの山の斜面で丸太を布団に
眠っては作業を続けられた自衛隊の方々



あのような哀しい事故が二度とおきませんように
二度と犠牲者がでませんように


この時期になると
せめてあの事故を見守った一市民としては
祈らずにはいられないのです
                                   合掌
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by n_773m | 2008-07-03 00:48 | エッセイ

言葉の力

落ち込んだりもする
辛い事もある
自分の事も判らない時だってある

誰にだって
そんな時は有るよね

『どうしたの?』

そっと声を掛けるのは
一番優しい心

溢れるように流れる涙も
この一言が
張り詰めた心を
凍りついた心を
優しく刺激してくれる

だから・・・
どんな時も忘れない
『どうしたの?』の優しさを

どんな時も
どんな人にも
この言葉と
その力を
アタシは持ちたい
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by n_773m | 2008-06-30 23:38 | エッセイ

私は椅子・・・

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私は椅子・・・
      そう、公園のベンチです

雨の日も風の日も
私は此処に居て
沢山の人たちの思いを見てきました

               想いを伝える人

               苦しみや悲しみを乗り越える人

               一心に誰かを見つめる人

               何も解決策が見つからず 毎日やって来る人・・・

もしも貴方が何かに悩んだり
戸惑ったりした時は
ここに座ってみませんか?

私には何も出来ないけれど
貴方の気が済むまで
座っていて良いのです

そして・・・
少し元気を取り戻し
顔をあげてくれたら・・・

    私は貴方の背中を そっと そっと  押しましょう
                       

大丈夫!
明日は必ずやって来ます
だから
安心して

その一歩を踏み出してごらんなさい
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by n_773m | 2007-10-31 22:00 | エッセイ

永遠の としお

あれから・・・色々な事があったよね・・・

貴方は2回くらい家庭をもち
別れと言う辛さも味わったよね・・・


一番初めの痛い思い出になってしまっただろう・・・それは
今から30年前の事
アタシタチは若かったよね
貴方は夢に向けて
一生懸命 練習していたっけね


何故か居心地の良い家で
お母さんと お姉ちゃんと ●倉さんと  アタシ
寄せ集めの家族みたいでさ

初めてアタシがスタジオ行くのに
お母さんがインパクトつけないと・・・って
ヘアメイクしてくれた


貴方も ハクのつくカッコにしなよって
洋服貸してくれたっけね




アタシの中の としおは 甘えん坊だけど
一心不乱にレッスンする意志の強さと
何の疑いもなく語る未来像が強烈に脳に焼き付いてるよ


なのに・・・アタシは
逃げ出した


ある種の不安と言うか
恐怖と言うか・・・


愛される事は素晴らしく 力強く あんな幸せは二度度無いと思うよ


でも・・・超えられない恐怖が・・・アタシにはあったの




『いつか・・・必要とされなくなる』
不安から押しつぶされそうだった・・・・・・愛されてるのに・・・

「必要じゃなくなった」 そう言われる時が来るんじゃないかって


そして・・・
アタシは・・・
逃げ出したの


心配して探し回っていたことも
人づてに聞いた


許して



一つだけ嬉しいのは

貴方は頑張ったお陰で
今は本当に有名人になったこと

あなたはエライよ
あのペチペチした音しかしない練習用の楽器でも
手を抜く事無くやっていたものね



もう一度・・・
もう一度・・・

声が聴きたいなぁ・・・・・・
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by n_773m | 2007-07-10 00:36 | エッセイ

若き相棒へ・・・

貴方に送りたい言葉は
ただ 一つ


ありがとう


貴方は私が一番苦しかった時
やって来ましたね


「来月からは二人で やり易いように工夫して行きましょう」


この言葉を聞いた時
アタシがどれだけ救われた事か・・・


貴方は本当に実行しましたね
アタシは本当に楽をさせてもらいました


大学にも通う事になり
アタシも転職すると言う間際
貴方が事故に遭い
周りが思う心配と
アタシの心配とは
少し違っていました

貴方が将来どんな仕事を選ぼうと
今 安易ではない道を選び
一生懸命に生きる姿は
見ていて とても楽しみです

アクシデントで貴方の気持ちが
途切れてしまわないか?
投げやりになってしまわないか?


アタシはそれが心配でした


でも・・・
そんな気持ちを吹き飛ばすように
「新しい生活を頑張ります! また相談に乗って下さい」
とメールくれて
アタシはとても安心しました(^^)


頑張れよ!相棒クン


そして ありがとう!
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by n_773m | 2007-03-31 11:09 | エッセイ

辛い時こそ・・・

辛い時こそ
上を向こう

足元ばかり 見てちゃダメ

でも自分の責務は
しっかり果たそう

人が何と思おうと
自分に一生懸命になろう

明日は必ず やってくる

越えた壁は 
必ず自分の糧となる


今 此処に有る 命のために

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by n_773m | 2007-03-11 13:46 | エッセイ

現実逃避

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理想と現実がこの部屋から見える

あの夕焼けに彩られた山々

そんな素朴な土地で生きて行きたい

何をして? 何が出来る?


また糸の切れた凧のように

全てを捨てて旅に出たくなる

胸に沸々と湧き上がる逃避の誘惑・・・



眺めているうちに・・・

夕日は山の向こうに消えて行く・・・
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by n_773m | 2006-10-08 23:35 | エッセイ

揺れる女達

我が職場にも女性は沢山居る

そして後輩たちも女性が殆ど

一生懸命 勉強し
大学を出て大学院も出て
理系の仕事に就いたからって
やっぱり女は女の心持・・・

これは決して 女々しいとかって物じゃなく
可愛さでもあり
女が女たる所以でもある

後輩の一人が急に引っ越すと言う
その話の流れから
何となく揺れる心を感じる
仕事も行き詰まっていて
どうやら・・・
心も行き詰まった果ての結論らしい

   「引越しは大変だけど・・・心は大丈夫かい?」

そう聞くと 小さく頷いていた

違う後輩は親から結婚を急かされていると言う
自分はまだ何も自分のやりたい研究をやってないのに・・・と
でも今のままの身分では
やりたい事には辿り着かないだろう・・・とも言う

今しか出来ない事
後でも出来る事

女達の心は
そんなせめぎ合いの狭間で
いつ果てるともなく
揺れ動いている
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by n_773m | 2006-03-07 21:53 | エッセイ

天国の お母さんマウスへ・・・

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今朝 お母さんマウスが亡くなりました

丁度 子供達の体重測定だったので

ビニール越しでしたけれど

子供達を私の手に乗せて

お別れさせました

『お母さん・・・ほら・・・こんなに太ってきたよ・・・苦しかったねぇ・・・頑張ってくれて ありがとね・・・』

              
                        合掌
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by n_773m | 2006-02-06 21:43 | エッセイ