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代理母・・・大阪高裁の判決

50代の夫婦がアメリカで代理母による出産で
双子を授かった
しかし出生届は受理されず
即時抗告をして今回の判決となった

『母子関係は認めない、代理母による出産は、公序良俗に反する行為』

日本の不妊治療は未だに『後ろめたさ』の中に有る
少子高齢化といわれるけれど
政治家の方々は
不妊治療に一体幾ら掛かるのか知ってらっしゃるのだろうか?
たとえ確定申告で返って来たとしても
治療を受ける時点では
莫大な現金が要るのである

いつ終るとも判らない治療
周りの無理解による重圧

この夫婦とて・・・あらゆる事を試みての結果だったのかも知れない
ここでは是非を問おうとは思わない・・・がしかし・・・

『公序良俗に反する行為』これは適切な言葉なのだろうか?
少なくとも代理母に着床させるには
医学的方法で行われるのであって
およそ『公序良俗に反する行為』などで妊娠するのではない

言葉は恐ろしい
授かった双子には『公序良俗に反して産まれた子』と言う
観念すら与えている
既に生まれ出た子供に何の罪も無いのに・・・

更に「出生届 不受理」とはどんな事になるかと言うと
彼等は母子関係も認められないので
年齢に関係無く
何ヶ月かに1度
日本国外へ出なければならない
まだ乳飲み子なのに・・・

『前例が無いから』この言葉が聞こえてきそうだ

去年も同じような判決が東京高裁であった
或る女優さんのお子さんだったが・・・
彼等も良く戦った・・・けれど
未だに母子関係は認められていない

確かに短絡的に結論は出せない問題だろうけれど
公的に公表される判決に
せめて適切な言葉であるかどうか?くらい
年齢も経験も重ねた裁判官ともあろう人間が
日本語の意味する所くらい
考えて欲しいものである

by n_773m | 2005-05-24 11:22 | エッセイ